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１４日
ドキドキしながらブラウニーを持って出勤して、ドキドキする暇も無く休憩する暇なんてもっと無いバタバタのバレンタインを過ごした
２０時にクローズの看板を出した時には、皆疲れがマックスで黙々と洗い物をしてる有り様
なんか、こんな時にブラウニーなんて、非常に出しにくい……
「お疲れ！今年の売上は去年より凄いぞ！シロちゃんのおかげだな！」
レジから売上レシートを持って鞍馬さんがご機嫌で厨房に入ってきた
「皆もよく頑張ってくれたから、野郎からで申し訳ないが、打ち上げにチョコケーキでも食おう！」
そう言って、多分スタッフのために作ってあったんだろうケーキを取り出す
「せめて、カットは女子の手で！」
恭しくナイフを渡してくれる鞍馬さんのテンションは少しおかしくなってる
艶々と光るチョコレートケーキを前にして、ブラウニーを作って来たなんてますます言い出しにくい
けど……
「あ……あの。一応、私も……」
ロッカーからおずおずと袋を取り出す
家に持って帰るには量が多すぎるとか、鞍馬さんのケーキに比べたら全然美味しくないとか
もごもごとした言い訳は、鞍馬さんも含めた全スタッフの歓声にかき消された
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