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「一ヶ月間の生き残り…ね。」
さっき呟いた男が私に振り替えって言った。と思う。何せその男とは初対面なのだから相づちを打てばいいのか迷った。
男は20代前半ほどのスラッと背の高い青年だった。
茶髪に軽くウェーブのかかったパーマ。目元が柔らかく、爽やかな笑顔を浮かべた好青年。
「ふふ。緊張しているの?」
無言の私を好青年は緊張と思ったのか、今度は私に質問してきた。
私が何か答える前に私の後ろから声が聞こえた。
「何言っているの?こんな非常事態に困惑していないなんて、それこそおかしいでしょ?」
気の強そうな好青年と同じ年ぐらいの女性だった。
目元の泣きボクロがチャームポイントで、腰に届きそうな黒髪のストレートロング。
コツコツとハイハールで歩く姿が似合う、スレンダー美女だった。
「そう言うつもりで言ったんじゃないんだけど。そうだよね、いきなりこんな話されたんじゃ緊張して困惑するよね?」
好青年は頭をかきながらゴメンゴメンとスレンダー美女に謝った。
スレンダー美女はプイっと好青年から顔を背け、自分の腕を組んだ。
「だいたい。どこなのよ、このスーパー。どうして私はこんな所にいるのよ。」
スレンダー美女は目だけ動かしてスーパーの店内を見渡す。
「あの・・・。ひょっとしてあなたもここに来た理由がわからない人ですか?」
次に現れたのは高校生だろうか?セーラー服を来た女学生だった。
くせ毛のショートカットで花のピンを向かって左側にさしている。
笑うとエクボが出る可愛い女の子だった。
心細かったのか、スレンダー美女に向かってセーラー服少女は期待の眼差しを向けていた。
「ええ、そうだけど。」
スレンダー美女の答えにバアッと喜ぶ、セーラー服少女。
「っと言うことは、このスーパーに何故居るのかわからない人がここに3人居ると言うわけだね?」
みんなが一斉に好青年を見た。
「実は俺もなんだ。」
好青年はさらりと答えた。
「これだけ集まったってことは君もなんじゃないかな?」
セーラー服少女の後ろでこっちを見ていた学ランの男の子が好青年を睨んだ。
否定しているのか、肯定しているのかわからなかったが、学ラン少年が何も言わなかったので肯定の意味として好青年が話を始めた。
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