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「まず放課後の練習はいつも通り4時から7時までするとしよう」
優太の言葉に無言で頷く部員たち。
「だけど、それに加えて平日は毎朝6時に集合して8時まで朝練をしよう」
「朝練だと……!?」
他の部員が頷く中、寝ることが大好きな達也にはキツい時間帯らしく彼は表情をこわばらせていた。
「まあ、全国制覇したくない人はお家で寝ていても良いけど」
「……分かったよ。ちゃんと来るよ」
優太のキツい一言にしぶしぶ承諾する達也。
どうやら『眠れる獅子』という異名を持っている達也も優太には敵わないらしい。
「んで、夜も近くの公民館で8時から10時まで練習したいと思うんだ」
「え? なんでわざわざ公民館に行くんだ? 練習なら部室でも良いだろ?」
わざわざ公民館へ移動して練習するという提案に首を傾げる橙太。
「いや。学校は夜の7時半には完全に閉まっちゃうから練習ができないんだよ」
「あっ、そうか……でも公民館なんて借りれるのか?」
「それなら大丈夫。僕の知り合いが公民館を管理しているからその人に頼みさえしたら、貸してくれると思うよ」
「なんだ。それなら大丈夫だな」
優太の知り合いのおかげで夜練をする場所には問題なさそうだ。
ただ、この夜練にはもう一つ解決しなければいけない問題があった。
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