93人が本棚に入れています
本棚に追加
/196ページ
「もう一本!! いくよ!!」
「おお!! 来い!!」
4月初旬、春が訪れ桜満開な季節。
嵜垣中卓球部では主将の優太が球を出し、多球練習の真っ最中であった。
それを受けている真二の周りでも部員全員がそれぞれ春にもかかわらず夏を思い浮かべさせるような熱い練習をこなしていた。
そんな彼らはここ2年間、『全国大会出場』を目標にあらゆる強豪校と戦ってきたが、目標は未だに達成されず。
そんな彼ら嵜垣中の今年の目標はもちろん『全国大会出場』。
ではなく、『全国制覇』という男なら一度は誰もが夢見る雲の上のような目標に変わっていた。
なぜ彼らが急に今まで以上の目標を設定したのか、まずはそこから話そう。
それは、白龍中のエースであり真二の兄でもある――荒川 光成が嵜垣中に道場破りにやってきた日のことである。
最初のコメントを投稿しよう!