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「……全国大会初戦突破とか？」
イマイチ自身の解答に自信が持てない真二。
「ちげーよ」
光成は真二の返答を即答で否定した。
「中１の夏、全国大会で布川って男から聞いたんだが、奴らの目標も全国制覇だとよ」
光成は風堂中の布川と面識があったようでそう語った。
「それでお前たち、一度は風堂中と試合したことぐらいあるんだろ？」
光成の問いに真二は一瞬顔を暗くしたが頷いた。
真二は思い出していたのだ。
冬季県大会１回戦で風堂中に惨敗した瞬間を。
「なるほど。それなら話しは早い。真二、風堂中と戦ってみた感想はどうだった？」
「……強かった。正直、自分たちのレベルの低さを思い知らされた試合だったよ」
あのとき、真二はたとえ相手が風堂中だろうと互角に戦える自信はあった。
だが、結果は１セットも奪えない完敗。
真二だけでなく、優太と達也を除く嵜垣中の面々も風堂中の足元にも及ばず完敗していた。
真二たち嵜垣中は全国常連校の風堂中と自分たちの実力差を身に染みて感じ取っていたのだ。
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