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兄との関係に、大きな変化が現れたのは
つい最近のこと。
40代も後半に差し掛かったころ、
私は、急激に体の調子が悪くなってきた。
めまい、疲れ、頭痛、倦怠感。
体のあちこちの痛み。
そんな中、前々から薬や注射やリハビリで
騙し騙し痛みをやり過ごしてきた腰が、
いよいよ悲鳴をあげ、去年末に手術をした。
右足に、ちょっとした後遺症が残った。
うまく歩けない。痛みも抜けない。
年が明け、季節は静かに過ぎていき、
夏になった今もまだ自宅療養中だ。
先日の診察で、新たに手術が必要かもしれない箇所が見つかった。両親にいらぬ心配を
かけたくなかったので、結果が出るまでは
伝えないように決め、兄にだけ全てを話した。
私が入院・手術してから、兄が優しくなり、
普通に会話をするようになっていた。
病院にお見舞いに来たり、実家に電話すると、兄が電話に出るようになった。
心配してくれているのか、会話の端々で、
私の病気について色々と調べてくれている
ことがわかる。
そんな中、両親が相次いで救急車で運ばれた。
父は足を縫う怪我、母は緊急性のない脳梗塞。
兄は慣れない運転で、あちらこちらの病院を
行き来し、やれ着替えだ、やれ買い物だと
走り回っている様子だった。
兄の存在が、しみじみ有り難かった。
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