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けれど、そんな幸せ気分は長くは続かなかった。”あの女“がやってくるからだ。
「あらあら。
昌也さん、おはようございますわ」
とても美人でスタイルのいい彼女は、まるで黒薔薇を具現化したかのように魅力的で雅やかな女性。
白百合のような奈々と黒薔薇のような2人は対照的でありながらも、太陽のような昌也に恋をする恋敵でもある。
「おはようございます、直子さん」
「あら、奈々さんいたの?
ごめんなさい、気付かなかったわ。
おはようございます」
わざとらしく見てみぬふりしたくせに、あたかも邪魔者のように扱う直子に奈々は苦笑するしかなかった。
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