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子どもたちが眠る頃、死神ちゃんは目を醒まします。
「おはよう」
クロネコの夢に挨拶をすると、死神ちゃんの一日が始まります。
「今日はいくつを刈れるかな?」
死神ちゃんは先の欠けた真っ黒なとんがり帽子を被り、右手に自分よりも大きな鎌を持ち、夜の街へと出掛けました。
死神ちゃんが鎌に乗って空を滑っていますと、男の子が一人泣いていました。
「どうしたの?」
死神ちゃんが尋ねました。
男の子は言います。
「お母さんが僕に熱湯をかけるし、お父さんは見て見ないふりをするんだ」
そして、男の子はずっと泣いていました。
「じゃあ、わたしがキミを助けてあげるよ」
死神ちゃんはにっこりと笑いながら鎌を振り上げました。
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