優しい死神

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* 赤い屋根の上に真っ黒な少女と真っ黒な猫が陽なたぼっこをしていました。 「いいのぅ?」  黒猫が尋ねます。 「いいんだよ」  死神ちゃんは嬉しそうに鎌に付いた首を見せました。 「一つより二つの方がいいからね」  死神ちゃんの手には、二つの顔がありました。 「でも、子どもの首の方がうんと高価なんでしょう?」  黒猫は首を傾げました。 「質より量だってショーコさんは言っていたよ」  死神ちゃんは顔を膨らませて、生首を揺すります。 「はい、はい」  黒猫はなおざりに呟きました。 「いい天気だね」  死神ちゃんは両手を空に上げます。  ぽたり。  首は、今、切り落とたばかりと言うように赤い液体が滴って水たまりを作っています。  顔をよく見ると、それはどちらも男の子と妹に少し似た顔でした。 fine.
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