だって有能な秘書だもん

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「芦野は、なんと?」  芦野っていうのは、氷月ちゃんたちのお父様ね。  おっきな会社の社長さんなの。  そして、氷月ちゃんはそこで既に働いてるのよ、重役さんとして。  若いのにすごいわよねぇ。 「両親は、好きにしてよい、と。部署の皆さんには明日、説明しますし、仕事は、皆優秀なので、書類のチエックと認可だけで済むかと。優秀な秘書もおりますし」  つらつらと述べていた氷月ちゃんが、あたしのほうを見た。 「お褒め与り光栄だわ。あたし、氷月ちゃんと日夏ちゃんの為ならどんなことだってしちゃう」  氷月ちゃんに向けて微笑んでみせる。  そして嬉しそうに微笑む氷月ちゃん。レアよ、レア! 「そこまで決めているのなら、手を貸そう。君達は私の子供同然だからね」  父様も氷月ちゃんと日夏ちゃんが大好きで大事にしてるから、甘い甘い。 「でもぉ、流石に寮はまずいんじゃない? 氷月ちゃんはちょっと特別だもの」 「そうだな。氷月、貯金いくらある?」  何か生々しい話が始まっちゃった。  お茶をいれなおしていたら、父様と氷月の間で話が纏まったらしい。 「弁天、名義を借りても?」 「何するか解らないけど、愛する氷月ちゃんの為なら構わないわよ」 「ちゃんと後で説明するって」  ああ、苦笑を浮かべる氷月ちゃんも可愛い。  はぁはぁしてたら父様からげんこつをお見舞いされちゃった。
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