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つくしやタンポポが芽吹き、明らかに冬のそれとは違う風がオレの足元をすり抜ける。希望の春、旅立ちの春、みんな前を向くきっかけにするのも「春」
・・・でもそんな気分になれずにトボトボと駅に向かうオレは久遠恭一18歳。
今日からはれて予備校生。足取りは最高に重い。
これから毎日お世話になる日本一標高の高いところを走る電車・・・(マニアにはかなりの人気を誇る)単線で、しかもうちの最寄り駅は情緒漂う無人駅。
おふくろは、電車のことを今でもディーゼルと呼ぶ。でも隣の駅には新幹線の駅もある。新しいものと古いもののアンバランスさがその時代を象徴している・・・そんな人の気持ちも、どこか中途半端なフワフワした時間の中・・・。
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