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その頃、俺は許可書を手にある場所に向かっていた
時刻は午後3時
2時半に終わった補習から30分が経ち、朝の蒸し暑さとは違い、夕方の涼しい風が吹いていた
学校から少し離れた住宅街
この辺りは人が多い大通りとは裏腹に、古いマンションなどが建ち並ぶひっそりとした場所だった
俺はマンションその中の一つに入った
階段を二段ずつ飛び越え、3階の 五十嵐 と書かれた表札の部屋に入った
玄関には靴が無造作に置いてあった
「おせぇぞ、鈴木」
俺と同学年の五十嵐 健太がそう言うと、同じ同学年の田中 良もうなずいた
彼らが怒るのも無理なかった
約束の時間より30分も遅れていたからだ
少し俺が黙っていると、気を効かせたのか一学年下の渡辺 勇人が言った
「それで、許可書は取れたんですか?鈴木先輩」
「もちろん」
鈴木はそう言うと、手に持っていた部活動許可書をみんなに見せた
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