第一章【東京】

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とりあえず一息つく。さて……。 「で、誰からだ?」 「いや……書いてないな」 便箋の表にも裏にも差出人の名前は無かった。 「じゃあ、中かァ……!!」 「……何でお前が興奮してんだ?」 とりあえず便箋を開けると、白い手紙らしきものが一枚、折り畳まれて入っていた。 引き出して広げてみたら、手紙の中央らへんに一行だけ文章が書いてあり、その下に差出人の名があった。 『放課後、屋上に来て下さい。 天草 』 「……天草ァ!?」 谷川が悲鳴に近い絶叫を上げた。 いや、普通に五月蝿い。もし放課後じゃなかったら大迷惑なところだ。
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