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でもまあ。
谷川が驚くのも無理は無いし、正直、僕も驚いていた。
天草といえば、高二で知らない奴はほとんどいないと言っても過言ではない程の有名人だ。
成績優秀、品行方正、容姿端麗、才色兼備の完璧超人。
あまり喋った事はないけど一応クラスメートで、黒髪のロングストレートで美人でスタイルも良く、大人しく控えめで誰にでも優しい。
その大和撫子を体現したようなキャラで、高二からだけでなく他学年からの人気も高いらしい。
ファンクラブがいくつも存在するという噂もある。ホントかよ。
そして何より理由は分からないが、ありとあらゆる告白を断り続けている事でも有名な奴だった。
そんな奴が僕にラブレター……?
「……谷川」
谷川は放心していたが、声をかけると戻ってきた。
「……ッ……な、何だ?」
「コレ……悪戯じゃね?」
「……ハァ?」
「遂に俺もイジメの対象かぁ……」
「んな訳あるか! お前、天草の字、見たことねーの!?これは明らかに天草の字だろーが!」
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