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「……おーい」
谷川は僕の言葉をオール無視してそれだけ言うと、ホントにすぐ回れ右をして教室から走り去っていった。
……心なし、泣いていたような気もする。涙飲めてないじゃん。
「……まぁいいか」
谷川が喜ぶ(悲しむ?)報告が出来るかは分からないが、鞄を肩に掛けてとりあえず屋上に向かう事にした。
教室を出て、廊下を進み、屋上へ続く階段を登る。
「……そういえば、」
登りきって、屋上に出る扉の前まで来た時にふと思った。
「天草とまともに話すのって初めてだな……」
緊張と好奇心と期待を足して三で割ったような感情を抱きながら、僕はドアノブをガチャリと回した。
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