第一章【東京】

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「……あ、勘違いしないでね? 別にあの場にいたのは偶然だから。私は買い物に行ってただけ」 ストーカーではなかったようです。 「ちょうど昼時だったから、屋上でご飯を食べてたのよ」 僕が不信感を剥き出しにして黙っていると、天草は溜め息をついてから笑うのをやめ、横を向いて僕から視線を外したようだった。(逆光でよく分からないのだ) 「……別に誰かに言おうとか思ってる訳じゃないわよ。そんなキャラじゃないし。気を悪くしたなら謝るわ」 別にドSな訳でもないようだ。 そして何気にキャラ作っていた事を自白した。 ……いや、今の君を見たなら誰でも分かるけどね。 「……じゃあ何故?」 「ただの興味よ」
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