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天草がこちらに目を向ける。その瞳は静かな水面のように澄んでいる。
僕は不思議と落ち着いていた。
こんな話をすれば誰もが気味悪がるに違いないので、今まで誰にも自分の趣味を明かした事なんて無かったのに。
それ故に他人に話すのは初めてなのに。
彼女になら抵抗なく、すんなりと話せる気がした。
何となく……僕に「近い」感じがして。
僕は、彼女の後ろに広がるフェンスの向こうの景色を眺めながら口を開いた。
「人が死ぬところを観るのが趣味なんだ」
「……」
「死という結果の形である死体なんて本質はみんな同じだ。そこに至るまでに人の数だけのストーリーがあって、死に際にその人の人生の全てが現れる。死に逝くその一瞬に、様々な人生の集約が垣間観れるから面白いんだ」
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