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数日に渡る修学旅行の最終日、その夕方。
後三十分ほどで自由時間が終わり、荷物を持ってホテル前のバスに乗り込むだけ。
だけど俺たちが居るのはホテルの中、部屋の中、光を遮断された薄暗い闇の中。自由行動なのに外へ出かけず、カーテンが引かれた部屋で二人きり。
ベッドに腰掛ける俺と、隣で寄り添う幼馴染みの姫咲 姉百合(ひめさき しゆり)。違う部屋割りなのに、暇さえ有ればこの部屋に入り浸る。
「ねぇ、ゆー君……みんな、まだ帰って来ないかな?」
しゅりは大きくクリクリとしたツリ目を輝かせ、俯いて視線を床に落とす俺の横顔を見詰めてる。
暗闇でも艶めく天然ブルーブラックのショートヘアに、産まれた時から変わらないこちらも天然の赤みがかった瞳。
日焼けを知らない白く柔らかな肌に、実年齢の十七には見えない典型的な幼児体型。
それを夏用の制服と、キワどいラインまで短くしたスカートで覆っている。
「そう、だな……」
俺は下を向いたまま、そう答えるのが精一杯。
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