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幼馴染みを自慢したい為だけに、しゅりの気持ちを無視して、
しゅりは魔法使いなんだぜ!!
得意気に息巻いた。みんな俺達二人の周りに集まり、しゅりは狼狽えてキョロキョロするだけ。
結局、不思議な力は使わなかった、見せなかった。『嘘つきヒメ!!』。みんなから罵られて泣いて、放課後まで泣いて、嘘つき……俺を罵って泣き続けた。
その日から少しずつ、少しずつだけど、しゅりの性格は反転して行く。
ボーっとする事が多くなり、喋り方もゆったりとゆっくりと内向的に。嘘つきヒメだって語り継がれる。
でも、中学、高校に進学する頃には色褪せて、省略された『ヒメ』だけが残った。
意味も成さなくなり、トロくて、何を考えてるのか分からない姫咲 姉百合に対する通称。
だけど、俺は知ってる。俺だけが知ってる。あの日しゅりが見せてくれた不思議な力は、事実確かに存在したのだ。
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