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今だってそう。今だって姫咲 姉百合は不思議な力を使える。
しかしそれは、俺にしか見えなくて、俺にしか効果が出ない不良品。自分でも理解してて、理解してたから俺に口止めした。
それなのに、馬鹿な幼馴染みのせいで全部台無し。
だから俺は、昔のしゅりに戻って欲しくて、責任を取りたくて、唯々、ひたすらに、されるがまま……
「こっちを見て、ゆー君? 私ね、お腹空いちゃったの……だから、ねっ? ゆび、おしゃぶりしても良いかなぁ?」
見上げる視線が突き刺さり、顔は自然と方向を変える。天然の赤色、俺だけに効果を発揮する凝視眼光。
その目に見詰められるとジエンドで、命令されればどんなムチャでも身体は動くし、心臓を止めろと言われれば血流は働きをヤメるだろう。
中世とかの時代、どっかの国と同じ。絶対服従。本当の意味で、しゅりは俺にとってのお姫様なのだ。
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