1.出会い

16/21
前へ
/52ページ
次へ
「すいません、私・・・ なんか場違いでしたか?」 「全然!そんなことないよ。 ただこのお店、俺が言うのもなんだけど、一般の人は足を運びにくいっていうか、 ちょっと怪しげじゃない? だから、萌子ちゃんみたいな子が来てくれて嬉しいよ」 “怪しげ” たしかに私も最初はそう思った でも、そんなこと考える余裕もないくらい、蓮さん。 あなたに会いたくて―― ―――なんて、目の前にいる 本人には絶対言えないな。 「萌子ちゃんは大学生なの?」 「あっ、はい1年生なんです。 それで、田舎から上京してきたんですけど・・・寂しくて」 「そっか、なるほどね。 俺でよかったら相談にのるから、何でも話してほしいな」 「ありがとうございます。 優しいんですね、蓮さんって」 その優しさは、仕事だから だってわかってる。 そう自分に言い聞かせないと、私はきっと、このままどんどん蓮さんにハマってしまうから。 まだ大学生になったばかり なのに、 ホストまがいのデートクラブに夢中になってしまえば、 きっと大変なことになる。 決してこの人に 恋をしてはいけない――
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

98人が本棚に入れています
本棚に追加