魔物の声

？？？

　君は、本当にそれができると思っているのかい？

　勘違いしないで、僕は否定しないよ。もちろん。

　ああ、それは当然だ。しょうがないじゃないか、"そう"なってしまったんだ。彼はもう後戻りはできないだろう。

　だからこそ、君はその思いを貫かなければならない……うん、そうだね、その過程で――――。

　でも、君が元々そういった思いがあったのは知っているけれど、突然具体的になったじゃないか。なにかあったのかい？

　……そうか。うん。その意見には賛成だ。というか、それしかないって感じだよね！

　そういう目で見ないでよ。一応僕は――。

　まあいい。それで、この全てが上手くいったとしてその後はどうするんだい？　君だって、その後最悪の展開がどうなるかは想像がつくだろう。下手すると、計画がうまくいかなかった時の方がマシかもしれない。

　……それ、本気で言ってるのかい？　無茶なことを……でもそうだね。どうせこのままでもダメだと言うなら、やらずに後悔よりやって後悔、といった感じかな？

　ああ、それは任せてよ。抜かりなくやっているから。とはいえ、それを待つわけにはいかないのも君の言う通りだね。

　幸運を祈っているよ。それがうまく行けば、この世界は――。

　きっと、今よりもすてきなものになるんだろうね。