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「ダンか。黒髪ってことは闇属性?」
「あ……闇は使えないんだ。属性が見た目に出てないだけで……」
闇が使えないのも見た目に属性が出てないのは嘘ではないし、その言葉に隠された意味はレオが知る必要のないこと。
「へぇ。俺と一緒か。俺は雷が得意なんだ。ダンは?」
「風と水……かな」
真っ先に出てきた属性も、一番使うという意味で嘘ではない。
でも、本当のことを知れば、きっと今気さくに話してくれてるレオだって……。
「あ! ダン君! 同じクラス? よかった。学校でもよろしくね。あれ……? もう友達できたの?」
「ユラ……よかった……」
いつも見ていた赤いくせっ毛のショートカット。小柄なその姿を目にして、ほっと一息。ユラはふふっと笑って、傍に寄ってきた。
「なにがよかったなの?」
「ユラがいなかったらクラスでうまくやっていける気がしない……」
そう言うと、ユラはクスクス笑った。
「大丈夫だよ。こうやって同じクラスになれたから。それに、話せてるじゃん」
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