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「うん……絶対使えない訳ではないけど……今は使えないよ」
「使えるときと使えないときがある……? どういうことだい?」
リオに聞かれて困ってユラを見ると、寂しそうに微笑んだ。
「そっか、流石にすぐは話しにくいよね……」
「いや、別に秘密にしたいことなら無理に聞いたりはしないけどよ……」
「……ありがとう」
自分のハンデを知っても、嫌がられなかった。
それが不思議で、逆に不安で、でも嬉しくて。
なぜだかわからないけど、二人とは友達になれそうな気がした。
十分くらいして、扉が開いて女の人が入ってきた。
オレンジ色の髪を横結びした、清楚で真面目そうな人。
「おはようございます。担任のエイナ・シーフォンです。担当は歴史。属性は雷。よろしくね」
控えめに笑ったエイナ先生に拍手が送られ、先生は少し驚いた顔をした。
「この後入学式があって、終わったらここに戻って自己紹介して終わりにしましょう。じゃあ、移動しましょうか」
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