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無難に入学式が終わって、席順に自己紹介が始まった。
もう自己紹介は済んでるから、二人のは改めてという程度に聞いて、他の人たちの顔と名前を覚えようと思ったけど、十人目くらいから全員を一回で覚えることを断念して、できるだけ覚えようという消極的なものになった。
最後の方でトランの番になって、前に出てきた。
「トラン・カフラだ。得意なのは地と闇。よろしく」
素っ気なく無表情で挨拶して、スタスタと元の席に戻ったトランにため息をつくと、ユラがとんとんと足を叩いてきて、そのお陰ですーっと気持ちが落ち着く。
全員終わると、先生は微笑んで俺たちを見渡した。
「今日はこれで終わりになります。明日はこのクラスは身体測定をします。明後日は……一年生一番乗りで使い魔捜しですね」
その言葉にみんなざわめいた。
「使い魔捜しをするのか……どうして?」
「でもダン君、凄く嬉しいんでしょ?」
そう言われて、にこっと笑う。
「うん。楽しみ」
みんなはあまり乗り気じゃ無いみたいだけど……。
「そんなに魔物を使い魔にしたいのか?」
レオに聞かれて、微笑んだ。
「まあ……ね」
男女別の寮に着くまでもその話で、ユラたちと別れた後は話が違うものになっていた。
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