すべての始まり

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ーーーー 「ルシィ、そんなに走らないの!」  わいわいと騒いでどんどん奥へ進んでしまうルシィを追いかけていると、ルシィはダン君とフランの墓標に辿りついていた。  ファリたちは、私よりも先に来たルシィにびっくりして、私に目配せしてきた。 「どうしてここへ……」 「ママー! 魔物さんたち!」 「ほら、きちんと挨拶して」  すると、ルシィは頷いてぺこりと頭を下げた。 「こんにちは」  魔物たちがそれぞれの鳴き声を上げて、ルシィはにっこり笑った。 「ふふっ……みんな、ひ……」  ルシィは突然黙って、魔物たちを順番に見ていって、最後に中心にいたーーランに目を止める。 「どうしたの……?」 「ーー僕、みんなに逢ったことある? 今ね、ひさしぶりって言おうとしたの。初めて会った魔物さんなのに」  ルシィはそう呟いて、私を見上げてきた。  そう言われ、ダン君の魂はここにあるんだ、と実感して涙がこみ上げてきた。 「あるよ……みんな、ルシィのお友達になりたいんだよ」  ファリが、ランをなでて、ポンと押し出すような仕草をした。  近づいてなにか話したランをルシィは見上げて、少し目を見開いた。 「本当?」  ランが頷いて、ルシィはにこっと笑った。 「みんなーー僕のお友達になってくれるの?」  みんなが一斉に声をあげて、眩しいオレンジの光が辺りを照らした。 「みんな……」  どうしよう、次から次へと涙が溢れてきて、止まらない。
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