AFFAIR(アサキ→ルン→颯→アサキ)※

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すう、って意識を取り戻すみたいに目覚めた時。  颯ちゃんと向き合って、変わるはずだった朝は。 ――なんだ。 いつもとちっとも変わらない。 ――俺もしかして、大革命は起こせなかった?  すう、すう、って。  隣で寝てる颯ちゃんの素肌の肩は。まだ同じリズムでゆっくり上下してるから。  起こさないようにゆっくりベッドから降りて。裸足で爪先を立てて窓辺まで歩いた。 窓ガラスの向こう側。 あんなにキレイな青空なのに。俺のキモチは全然晴れてない。 むしろ土砂降りじゃないの?コレ…。 溜息をつきながら、 小さなブリキのジョウロを取り上げて、あいつらに水をあげようと思って。ベランダの窓を開けてプランターを覗き込んだら。 「あ…――やったぁ!!」 命のしるしを見つけて、思わず声が上がっちゃった。 『う…――』 背中越しに。 ベッドが軋んで、颯ちゃんが伸びをして声を出してるのが聞こえた。 しまった…。 颯ちゃんは起き出して、バスローブ引っ掛けて伸びをしながら俺の隣に立った。 「アイダちゃん。朝から元気だね…」 どうしたの?って。 あんな事沢山したのに。 驚くくらい普通に会話しちゃってるね俺達。 「――ほら、見てみて?」 颯ちゃんが覗いたベランダのプランターの中には。 小さな丸い二葉たちが、 『俺がオレが』って互いを押しのけるように生えてる。 「コレ何の芽なの?」 「ひまわりだよ?――俺ね。小学校のとき育てたの、途中で台風にやられちゃって。ちゃんと自分で咲かせたことなかったから」 リベンジして咲かせようと思ってるんだ。 そっか…。 「――アイダちゃんはやっぱり…『太陽の花』か」 颯ちゃんがくす、って笑って隣で呟く。 「え?」 「――何でもない。大きく咲くといいね」 それと。言い忘れてたけど。 「オハヨ」 ちゅ、なんて俺の唇にわざと音させながらキスをして。 「シャワー借りるね?」 また両手を上げてうーんって伸びをしながらペタペタ歩いてく颯ちゃんの後姿見てたら。  こんな事がこれから日常になるってことそのものが、大革命なんだって。  俺は何となく。解った気がした。
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