the Love Bug(ルン×壱成)

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その日の収録終わり。  「お先デース」「お疲れ~」 「じゃ、お先」 リーダーと颯君とルン君が、揃って出て行ったのを、 「あ!皆、お疲れ…?」 びっくりした顔で見送ってるアイダさん。 パタン、と閉じられたドアを眺めながら、 「どうしたの、アレ」 アイダさんが俺に聞いてくるけど。 俺が知る訳無いじゃん!って叫びたいのを、必死に堪えた。 震えそうな手を机に押し付けて。 「ん?――知らない…」 あくまで気にならない、フリをする。 「――」 アイダさんのつぶらな目。 俺を見ながら瞬き忘れてるよ? ――ちょっと怖い。 「嘘だね?超、皆の事気になってるよね?」 動物的勘ですか。 「――うん…」 どうしてアイダさんには素直になれるのに。 ルン君にはなれないのかなあ。 「ね。ニノ…。俺達ね?全然ニノの事怒ってないよ?」 運転禁止の連帯ペナルティなんて、前代未聞で。 俺は、『もう止めろ』ってリーダーに肩を叩かれるまで皆の前で頭を下げた。 「――それよりね。思ったことを抱え込んでちゃんと言ってくれないほうが、俺達辛いよ?」 ルン君もさ、ニノの事すっごく心配してるのに、俺達の前では全然平気なフリしてるし。 二人とも俺達にもっと頼んなきゃダメ。って。 「まぁ…上三人より確実にニノとルン君のほうがしっかりしてるのは認めるけどさ…」 たまには、先輩面してみたくなるわけよ、なんて。 「悪いけど俺、アイダさんの事先輩なんて思ったこと無い」 「え~!?」 「――だってアイダさん。俺達皆で同じ場所に立って。同じ物見て。同じこと感じてるんだよ?」 だからさ。 「俺達に『共感』はあるけど、『上下』はないと思ってるんだ」 って言ったら。 「…じゃあ。俺にも、ニノのココロ。ちゃんと感じさせて」 アイダさんってどうしてこう、びっくりするくらいストレートな物言いなんだろう。 聞いてる方が恥ずかしいから。 「――アイダさんの言い方、どうしてそう、イチイチエロいんですか…」 「ええ!?俺真面目に話してるのに!!」 って、不満そうにアイダさんは頬を膨らませた。
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