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ニノと競争するみたいに服を次々脱ぎ棄てて。二人で入るには少し狭いバスタブを見て、
「そう言えば一緒に入るの、初めて?」
最近仕事で筋肉ついてきたけど、まだまだスレンダーな体を晒したニノが言う。
「そっか」
お互いの家に行っても二人で風呂になんて入らないから。
コンサート先でたまに皆一緒だったりするけれど、こうして二人きりでなんて事初めてで。
セックス以外でニノのカラダをまじまじ見られるって事も無いから、来て良かったなんてこんな時に思ったりする。
「ルン君お湯熱いほうがいい?」
「ああ」
バスタブに張られた温度を手で確かめてるニノめがけて。何となくシャワーのコックを捻ったら。
ざあ、と降り出したお湯の雨にびっくりして。
「――何!?」
額に張り付いた髪を掻き揚げてる。
「どうせ濡れるなら。同じだろ?」
ニノに構わず、シャワーの雨を降らせたまま。俺はシャンプーを手にとった。
「洗ってやるよ」
ニノを座らせて、シャンプーを泡立てたら、すんなりした黒髪に手櫛をとおす。
「ルン君シャンプー上手」
「そうか?」
「頭触られるのって、気持いいよね」
目を閉じてるニノ。
可愛い過ぎるキス顔にしかみえないのは。
俺の願望か?
思わずニノの髪を洗ってた、泡だらけの手を、そのままニノの肩へ滑らせた。
「あ…」
俺に比べたら、真っ白かと思うほど色素が薄い肌。
淡い色の胸の尖りを指先で潰したら、身体をよじって。
「やだ…っ」
顔に流れてくる泡が目に滲みるみたいで、ニノは強く瞼を閉じたままだ。
「――もっと、だろ?」
見えない、っていうのも楽しいかも。
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