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ニノもルン君も。明らかに俺の顔見て、固まったよね?
「…?二人ともどーしたの?」
「別に、どうもしてないよ?」
なんて。急に澄ました顔してるルン君と。
「はよーございます。俺も別にどうもしませんよ?」
3DSの画面から顔も上げないまま挨拶したニノは。
「――あ」
って、何か思い出したみたいにこっち向いた。
「アイダさん」
「なに?」
「今日晩御飯どうですか?」
最近ね、ホロホロ鳥の専門店行ったんですけど、其処の唐揚げがスッゴイ美味いんですよ?って誘われた。
「ホロホロチョウって何?」
聞いたこと無い、って言ったら。
「キジ科の鳥で、フランス料理じゃメジャーらしいですけど、日本じゃ数箇所しか育ててるトコロ無いから、貴重ですよ~」
唐揚大好きだから、単純な俺は。
「うん!!おいしそう、行きたい行きたい!」
「じゃ、とりあえず予約しておきます」
って、ニノは此処でスマホ取り出す。
「――え?二人なの?」
ルン君のコト無視してるみたいに話してるの、やっぱりおかしいよね?って思うの俺だけ?
ニノが俺の顔見て。薄い唇にちょっと笑みを浮かべたのが。何だかちょっとイジワルそうに見える。
「――あ…じゃあ。ルン君も一緒に行きます?」
なんて。初めて気がついたみたいに声を掛けるから。
「何だよついでみたいに…」
いいよ俺は、って。苦笑いしてるルン君。
――折角なら一緒がいいなぁ…。
なんて、断ってるの見てちょっと凹む。
「――そうですか。じゃあ…」
ってニノはスマホで電話をかけ始めて。
「はい、…3名で。――あ、大丈夫ですか?」
時間と連絡先を伝えてるから。
『え?』
って、俺とルン君は顔を見合わせた。
電話を切ったニノは、
「――じゃ。そういうわけで。3人で仲良く。行きましょうね~」
楽しみ~って。ちょっと可愛く笑うのが。何企んでんだろう、って。少し、不安になった。
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