AFFAIR(アサキ→ルン→颯→アサキ)※

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 唇の柔らかい感触を楽しんでた指先を離したら、かわりにそっとキスで触れてみる。 「ん…」 目の前の瞳は、意識を快楽に委ねるために閉じられるから。俺もゆっくりと、唇を舌先で辿っていく。 「は…」 甘く吐息を漏らして薄く開いた唇をこじ開けるように、舌を忍び込ませた。 アイダさんは素直に唇を開いて俺を受け入れてくれたけど。まだ戸惑うように強張ってる舌に気づいたから。 誘うように舐めて、絡めていく。 「ん…ぅ…」 恐々と背中に回ってくる両腕に気づいて、きつく舌を吸い上げた。 ぎゅ、って、俺のシャツの背中を掴み絞められて。 濡れたキスの音を聞きながら。アイダさんの口を容赦なく貪る。 「…は」 最後に優しく唇を吸いながらキスを止めたら。 アイダさんはは小さく吐息を漏らして身体を離すと、潤んだ瞳で俺を見つめてきた。 つぶらでつやつやとした色の薄い瞳の中に、俺が映ってるのが見える。 瞳の中の自分と向き合って。 手を伸ばして、柔らかくアイダさんを抱きしめたら。胸の中に落ちてきた身体は小さく震えてたから。 腕の中に閉じこめたまま、俺は動かなかった。 息まで震えてるアイダさんの身体から、緊張が解けるまで。アイダさんの呼吸と俺の呼吸が重なるのを待ってる間。 腕の中に抱いた温もりに、俺も瞳を閉じて、心地よさに浸った。 「アイダさん。俺のこと…好きか?」 目を閉じたままでしか尋ねられない自分の心の弱さ。 「すき」 小さい声だったけど、はっきりと応えてくれる。 腕の中から開放したアイダさんの顔を確かめようとしたら。 俺のコトまっすぐに見るアイダさんが居て。 黙ったまま見つめ合う。 初めは。本気になったら自分はどうなるんだろう、と思った。 無条件に愛されるのは怖くて。 失った後の事を考えるのも怖かった。 だけど。 それでもいいから、今はアイダさんの心に溺れてみたい。
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