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「俺なら『好きです』っていうね」相も変わらず軽い男だけど…でもそれが一番良いのかも知れない。
僕は佐弓先輩に告白しようと考えた。でもいざ彼女を目の前にすると、声すら掛けられない。
最近佐弓先輩の回りの女子が、僕の事を何とか言っているらしく、それも気兼ねで喋れない。
やっぱり不細工は恋愛何かしてはいけないんだ。
諦めよう。
何度もそう思った。でも佐弓先輩を見る度に恋愛感情が浮かび上がる。
雪がちらつく12月。
10月から1ヶ月半ほど経った。相変わらず佐弓先輩を見ている。
部活は引退したが、図書室で受験勉強する彼女を、図書委員の僕は気兼ね無く伺える。
僕の混沌とした回想に、割って入ってくる同じ図書委員の田中。
「ストーカーさん、はよう告白しなんせ」
「せぇへんわ」
「一生彼女出来ねぇなお前。もう飽きた。ずっと見てれば?意気地無し」
僕は田中に掴みかかろうとした。でも出来なかった。本当に意気地無しだから。
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