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「意気地無しストーカー、告白する時はな、『リスク』を考えるから失敗する。『何か大丈夫だろ』って考えてたら何か大丈夫なんだよ」
田中の言葉は僕の心に何度も反響した。
本当にいい友達を持った。
僕は吹っ切れたように、佐弓先輩に喋りかけた。
「佐弓先輩…」
「あ…葉山さん」
僕はさん付けで呼ばれていたのか…。でも今は関係ない。
「あの…今から少し良いですか?」
佐弓先輩は怪訝な顔をした。が、ゆっくり頷いた。
僕は屋上に連れ出した。
屋上にいく間、沈黙が流れていた。廊下を歩く帰りがけの生徒は目を疑うような表情をする。
ただただ黙り込み、足音を廊下に響き渡らせるだけ…それでも屋上に近付いてきた。
とうとう屋上についてしまった。
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