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「私と、付き合ってください!!」
そう言って彼女は右手を差しだし俯いた。目をギュッと絞り、半端ではない覚悟が伺えた。
「僕…でいいの?」
彼女は身長が高くスレンダーで可愛かった。僕には到底釣り合わないような女の子。疑うのも無理はない。
「先輩の…走るすがた、カッコイイです」
何も考えれなかった。ただ感情に身を委ねたのは覚えている。
僕は彼女の右手を取って、抱き寄せた。
「キッ…あぁ…」
彼女は僕に身を委ね、ぴったりとくっついてきた。彼女の尖った顎が僕の頭をこずく。
なびく髪から、シャンプーの薫りが僕の嗅覚を刺激する。
時が止まったようだった。何分も何分も、僕らは抱き合った。
いつの間にか田中は居なくなっていた。
「帰ろう」
「うん」
僕らは手を取り合い、仲良く帰った。
帰り際に田中からメールが来た。
『いつか飯おごれ♪』
本当にいい友達を持った。
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