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世界は言葉でできている。人々の話も、情報もすべてが言葉によって混ぜられこねられ、混沌になっていく。
混沌
であり
カオス
であり
無秩序
である。
言葉は言葉のまま『妖しく』、また『怪しい』ものになっていく。
幽霊の正体見たり枯れ尾花
幽霊はこの文により枯れ尾花になった。
言葉によって幽霊は妖しくなくなった。
妖怪も幽霊も言葉のインチキの様なもので、怖いようなものではない。
俺神谷亮もそう信じていた。
いや、信じていなかった。
あの八月の初めまでは……
前置きが長くなったががんばって聞いてほしい。
フランスのピエール・コルネイユの名言。
不幸はこれを語ることによって軽くすることができる。
俺の不幸は誰が為か。己のためか他が為か。
重くなるのか、軽くなるのか。
そんなことは知ったことではない。
語らせてもらおう。自分のために。
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