1章
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繭子は改札から出口に向かって歩き出す。 この時間は学校帰りの学生、塾に向かう子供たち。仕事帰りの大人達が慌ただしく交差して行く。バスが来る音がして駆け足でバス停に向かう。 バスの扉が開いて繭子はバスに乗り込む。 整理券をとって奥の席に座る。 鞄を膝に乗せて冷えた窓に頭を預ける。 バスは重たい体を揺らしてノロノロと動き出す。 駅が遮っていたオレンジな夕陽が照らす。
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