1章

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スーツにネクタイ、シックなマフラー。 手には重たそうな (おそらく彼の人生。そして、家族の希望。男としての責任感。夢。彼の苦労がたくさん詰まっている) 鞄。 笑顔でただ頭を下げたり、上司の唾をかぶったり。 家に帰ると単細胞で無能な、時代が生んだ強い弱虫のいじめを受けて必死に涙をこらえている息子。 覚えたてのしりとりを何度もせがんで母親に叱られる小さい娘。 夫の帰りを待つ妻。
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