第三章

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*** 「てかさ、あんたらいつまでいるつもり?明日も学校だよ?」 片づけが終わりそろそろ帰るかなーと思ったのに帰る気配が全くない。 さすがにあいつにも迷惑だろう。 迷惑かけた後が怖いからめんどくさい。 ってゆーのが本音だけど。 「そーねー、そろそろ藤堂さんにも迷惑だしね…。帰ろっか!」 夏音がそう言うと港と葵も帰る用意をしだす。 ……お前ら夏音の下僕か何かなのか? なーんて言葉は胸に秘めておいた。 *** 「……あれ?帰るの?」 玄関まで見送ろうとしたら、部屋から出てきたあいつ。 「あ、藤堂さんっ!お邪魔しました!仕事で疲れてるのにすいません。」 夏音は一瞬目を光らせ、その後少し申しわけなさそうな顔で言う。 「そんなのいいんだよ。またいつでもおいでね。」 胡散臭い笑顔で言うこいつ。 ほんと二重人格って怖いわー。 最初はこの笑顔が本物だって思ってたあたしは絶対馬鹿だと思う。 「ありがとうございます!あ!鈴、こんなんですけど、良い子なんでよろしくお願いしますね?」 「ちょ、夏音、何言って「俺がお願いされるくらいだよ。」 あんたも何言ってるんですか…?? 「……今日は本当お邪魔しました。ほら!港!葵!帰るよ!ちゃんと挨拶!」 夏音はそう言い港と葵の頭をぺしっと叩く。 2人はお邪魔しました。と呟いて夏音の後ろを追いかけていった。 「下まで送ってくるから。」 あたしもそういい残し、夏音たちのあとを追った。 *** 「鈴!!!!!」 「!!!!???」 夏音が急に振り返って肩を掴むから、驚いてしまった。 「藤堂さん……良い男「いやいやいやいや。あいつ二重人格なんだよ!?ほんとは性格最悪なんだよ?!夏音!騙されちゃだめ!」 あたしは夏音が言い終わる前に、あたしは叫んだ。 あんなやつ良い男な訳ない! 「うん、知ってる。」 だよね、知って……… 「は?!知ってる?!!!」 あたし言ったっけ?!言ってないよね?!!え!?! 「あんな胡散臭い笑顔わかるに決まってんじゃん。………でも、きっと根は良い人だよ。」 今まで夏音が言ったことに間違いはなかった。 ばっちり男を見抜いてた。 その夏音がここまで言うなんて……。
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