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***
ガチャ
「…………ひっ」
玄関の扉を開けた瞬間、立っていたあいつ。藤堂。
「……俺が言いたいことわかるよな…?」
目……目が……笑ってなーーーーーーい!!
お、怒ってる……。。
「ご、ご、ご、ごめんな…「いや、別に怒ってねえから。」
……ん?
………怒ってない……?
「とりあえずリビング行くぞ。玄関で話すとか意味わかんねえから。」
***
沈黙。
先に口を開いたのは向こうだった。
「…連絡くらいよこせよ。」
「………ん?」
あたしは全くもって意味がわからず首を傾げた。
「だからっ!友達連れてくんなら連絡くらい1つよこせっつーの。」
あー、そういう意味か。
「……あたし、あんたの連絡先知らない。」
「…………は?」
あたしの返答を聞き、間抜けな声をだす。
「…確かに教えてないな……。……携帯貸せ。」
あたしは素直に携帯を渡す。
するとあたしの携帯と自分の携帯をピコピコして、ポイッと返してきた。
「俺のアドレス送っといたから。これからは連絡してこいよ。あ、あと、俺のこと“あいつ”とか“こいつ”とかふざけてんのか?」
そう言いながら近付いてくる……こいつ。
どうしてこんなに近付いてくるのか。
………心臓に悪い。
「李久。」
「……え?」
ソファの横にドカッと座り、ボソッと言う。
「李久って呼べ。」
「は?いやいや、なんで?」
「……ちっ。こんな扱いずれー女、初めてだ。」
「悪かったですねー……って、んっ」
あたしが憎たらしく言ってる途中に塞がれた唇。
強引なのに優しいキス。
しかし、好きでもない人にちゅーされて嬉しい奴がいるかっ!!
あたしは必死に…李久…の胸を叩いて逃れようとした。
そのたびに深くなるキス。
男に慣れてないあたしは息も苦しい上に、力が抜けてくる。
それを察したのか離れた唇。
あたしはハアハアと酸素を求めた。
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