第三章

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………やってしまった………。。 自分の顔が青ざめていくのがわかる。 バカなのか、あたし。 いや、バカだったなあたし。 「……ぷっ」 そんなことを思ってると聞こえた声。 ぷっ? 「…ぷははははははっ!!もうっ、!さいっこっーっっはははっ」 目の前ではお腹を抱えて笑う李久……やっぱ慣れないから藤堂。 あたしは目をポカーンとさせて、その光景を見ていた。 *** 「……っはー……、お腹痛い、まじで。…っふ……はー……」 あれから大分爆笑していたのに、まだ思い出し笑いが出来るのか。 ある意味すごいよ。 「……なにがそんなに面白かったのでしょうか……」 とっくに怒りが静まったあたしは、藤堂に尋ねる。 「ん?だって、鈴奈みたいな女始めてだから、おもしろすぎて。」 「それは男慣れしていないことですか。」 それならあたし以外も全然新鮮だろーが。 「いや、それもあるけど、俺に楯突いてきた女が初めて。ってゆー感じかな?」 ……ちょっと待てよ。 これに素直に従う女がいるのか? 「俺とヤりたがる女、山ほどいんの。……だから自分から迫ってくる奴ばっかだし、男に慣れてない女にちょっかい出すと、すぐに俺に惚れやがる。」 そう言った藤堂の目は冷たさの中に少し淋しさが見えた。
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