第四章

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「あのー……、すいません…。」 受付の美人なお姉さんに声をかける。 「どういたしましたか?」 笑顔で受け答えする受付さん。 「藤堂…李久さんを「と、藤堂さん!!?」 藤堂の名前を発した瞬間、あたしの言葉を遮り、驚いた受付さん。 それはもう、見てはいけないものを見たみたいに。 「あ、あなた、藤堂さんの何なの!?」 「な、何なの?!とか聞かれましても…。コレ、持ってくるように頼まれただけなんですけど。」 あたしは苦笑いしながら茶色い封筒を見せた。 「あ、あなた本当に何者…。。」 「とにかく、早く藤堂李久を読んでくださいよ。」 「何呼び捨てにしてんの!?」 と、こんなやりとりをしていると、なぜかあたしの周りは人で溢れていた。 なんで、こんな人だかりになってんのよ!!! 『あの子だよー…、藤堂さんに会いに来たって言う……』 『課長に?あんなガキが?』 『妹か何かじゃないの~?』 『て言うか、場違いすぎるだろ…。』 なーんて声が聞こえてくる。 黙って聞いてれば、ごちゃごちゃと!!! なんであたしがこんな目に合わないといけないのよ!!!! 「鈴奈。」 そんなとき頭上から聞こえたあいつの声。 ほんと…、タイミングいいんだから……。。 「助けなさいよ!あんたのせいで人だかりできちゃったじゃない!!」 あたしがそう言うと、あいつはなぜか笑った。
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