第一章

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───高校2年の夏 「ほんとに大丈夫なんだな?」 空港で父さんは心配そうに言う。 今まで男手1人で育ててくれた父さん。 仕事の都合でロンドンに行くことになった父さんに着いてこないか?って聞かれて、本当に迷った。 でもこっちには友達もいるし、進学したい学校もあるから、残ることを決めた。 家は売り払ってしまったため、今日から父さんが買ってくれた高級マンションに1人暮らしだ。 「大丈夫だって!当日にもなって、やめてよねーっ!」 あたしは笑顔でそう言い、父さんの肩を叩く。 「たまに連絡するからな。鈴奈も何かあったら、連絡してきなさい。」 そう言い残し父さんは旅立った。 .
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