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「え、と、藤堂さん。」
「課長!?」
あたしに近づいてくる藤堂に、周りの声。
……こいつ、課長なわけ?
「はい、お疲れさん。」
優しい笑みであたしの頭をポンポンと叩きながら言った。
………何よ、その微笑み。
……ずるい。
初めてみた優しい笑顔。
冷たくないし、意地悪じゃない、藤堂の笑顔。
なんか、……ドキっとした。
「……っはい、これ!」
あたしはそんな気持ちを悟られないように、パッと目を逸らし、力任せに封筒を渡した。
「………ありがとな。
ま、あと数分遅かったら怒鳴りちらしてやろうと思ってたけど。」
……前言撤回。
こんな奴にドキドキなんてするわけない。
わざと、あたしにしか聞こえない声で恐ろしいことを言い出す。
……遅かったのは、人に囲まれてたからだもん。
「と、藤堂さん…?その子は一対……。。」
受付の女の人が少し遠慮がちに聞く。
「あー、えっと、………
彼女なんだ。」
…………は?
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