0人が本棚に入れています
本棚に追加
春夏秋冬。
貴方と出逢って過ごした季節が、こんなにも早く、呆気なく終わってしまうのは何故なんだろう。
「きっと楽しかったからだよ」
私がそう尋ねると笑って答える貴方。相対性理論というやつですか。難しいことはわからないけど、今貴方と離れたくないという気持ちだけは解るのです。
どうしようもなく好きなのです、貴方のことを。
「そんな顔をするなよ。最後くらい笑えよ」
それは無理な話ですよ貴方。だって今にも泣きそうなんですもん。何故地方に引っ越しなんてするんですか。都会暮らし便利ですよ。
あああもう。何考えてるんですか私は。今さら何言ったってこの人は行ってしまうのに!
「この次はいつ会えますか」
「だから、泣くなってば。いつでも来ればいいよ。いや、やっぱ電話ぐらいはしろよ」
「ふ、」
連絡先の書かれたメモを握りしめる。ああ、この人はやさしい。
「君そんなに女々しかったっけ?」
「うるさいです、よ」
「強がるなって」
さようなら、さようなら。
この次会えたときはもっと素直な自分になれますように。
ハローグッバイ。
(さようなら、この次会えたらその時は。)
END
最初のコメントを投稿しよう!