第1-3章 刑事

3/11
前へ
/291ページ
次へ
  捜査第一課長が電話に出た。 彼は、しばらく電話の相手とやりとりをした後、 「駅前の裏通りで事件発生。帰宅組と当直以外の者は至急現場へ向かってくれ。」 と、居残り組のメンバーに向かって大声で指示を出した。 そして、飯山の方を振り向き、 「仏の数が半端じゃねぇ。それにどうやら、様子が変らしい。事故でも、殺人でもないようなんだ。ベテランの目が必要だ。飯さん、すまないが現場へ向かってくんねぇか。」 と言った。 (・・・やっぱり今年もだめか。) この瞬間、飯山は5年連続で妻の誕生日に早く家へ帰れないことが確定した。      
/291ページ

最初のコメントを投稿しよう!

69人が本棚に入れています
本棚に追加