第1-3章 刑事

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  少年が去った後も、飯山はしばらくその場を離れなかった。いや、動けなかった。 (・・・今のは何なんだったんだ。あの瞬間、凍えるほどの殺気を感じた。やはり、あの少年には何かある。 あの5人は彼に殺されたのではないだろうか。でもいったいどうやって・・・。) その後、署に戻ってからも飯山は今自分に起こったことを皆に話す気にはなれなかった。 客観的に見ればまったくロジカルではないからだ。誰がこんな話を信じるだろうか。 かと言って、あの少年を拘束していろいろ調べることはできない。 5人の殺害に関して何の証拠もない人物の逮捕状を取ることなど不可能だからだ。    
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