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「おいおい、どうした。聞こえなかったのかな、ボクちゃん? 言うこと聞かなかったらどうなっても知らないよー。」
別の少年が、そう言いながら、側面をふさぐように横から近づいて来た。
高校生は、少年達の機嫌を損ねないように気を使ってか、口元だけはわずかに微笑みながら、見逃してほしいと訴えるような目で、自分の正面にいるリーダー格の少年を上目遣いに見た。
「気持ち悪いやつだな。お前、その様子じゃあ、学校でもいじめられているんだろ。さっさと金を出せよ!」
さらに別の少年が、大声でそう言いながら、もう一方の側面をふさぐように距離を詰めた。
高校生は怯えたようにその少年を横目で見たが、すぐに視線を元に戻し、それから目を伏せて動かなくなった。
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