第1-2章 会社員

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  同じ頃、別の場所でも、もう1つの奇妙な出来事が進行中だった。 「おまえはどうして言われたことを期限までにやってないんだ!」 ひときわ大きな声が部屋に響き渡った。 「部長、すいません。やろうとしたんですが、委託先企業が根を上げてしまいまして。」 弱々しい声がそれに答えた。 「そうならそうと、もっと早く報告すべきだろう。今頃わかったんじゃ、こっちだって手の打ちようがないじゃないか。」 部長と言われた人物の怒りは収まりそうになかった。 「お前はいつもそうだ。今度という今度は見逃すわけにはいかない。お前なんかうちの部署から出て行ってしまえ!」      
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