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叱られていた若い会社員は申し訳ないとは思いながらも、いつものように、なんとかこの場を耐え凌ぐことだけを考えていた。
ところが、今回ばかりは部長が本気で自分を閑職に異動させようと考えているという鮮明なメッセージが思考の中に飛び込んで来た。
「えっ、社史編纂室?」
「なっ、なぜ、俺が言う前に、わかったんだ! とにかく、おまえは来月、社史編纂室に異動してもらう! ちょうど1人欠員ができたと聞いているからな。そこで一生・・・」
興奮した声で部長が言い続けている横で、その会社員は部長が言う言葉を、まったく同じタイミングでひとつの間違いもなく呟いている自分自身に驚いていた。
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