日常

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無いなぁ… そろそろ彼処に着いちゃうのに、 「あ!!」 これ…じゃない。 三つ葉じゃない。 もー!紛らわしいなぁ! あ…姉様があの葉っぱが珍しいんだって言ってたのはこう言うことだったのね。 「…ってーそんなことよりっ」 花の香りが強くなってきた 彼処が近い証拠。 嫌だなぁもう帰っていれば良いのに。 「これか!?…違う。」 あぁ。 もう何度三つ葉に引っ掛かったことか。 手につかんだそれが 三つ葉だった時の脱力感尋常じゃない。 三つ葉には申し訳ないけど。 「…あーあ。ついに来たか。」 もう目と鼻の先にあの 花畑がある、 私の安らぎの花畑が。 「あの人は…あれ、人が倒れてる?」 死んでるのかな? やだな 私じゃ引きずってでしか運べないのに 花を痛めるから嫌だなぁ まぁ とにかく近付いてみるしかないよね。 細い小道を音を立てないように 慎重に進んでいく。 あれ、さっきの人だ。 顔は一瞬だったけどちゃんと見えたし…きっと確かだけどー…。 動かないけど、死んでるの? もう少し近付こうとしたその時 パキッと小枝を踏んでしまった。 すると今の今まで死んだように動かなかったその人が突然起き上がって私を見た。 腰の物に手を掛けるようにして。 何この人目が怖い! 殺されるー!!? 何もしてないのにーっ!   
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